とはいえ、芝居としてはすごく面白かった。。
感情むき出しの登場人物たちがしっかり息づいてるし
演出も視覚的に飽きがこないようにしてある。
幕開け、模様かと思った血溜まりを掃除人たちが拭き取っていく。
拭き取った後、すぐに肉片が降ってくる。。
肉片を片付けると、今度は花が降ってくる。。
ここから正味6時間40分、絶えず花が降ってくる。
ヘンリー六世のランカスター家が赤い薔薇、フランスとヨーク家が白い薔薇。
降ってくる花をいちいち片付けなきゃならない掃除人さんは大変だろうけど
観てるほうは、いまどっち側の話なのか、この人たちがどっち側かがわかりやすい。
最初だけとか最後だけに何か降ってくるのは蜷川さんにはよくあることだけど
絶えず降ってくるってのは初めて観たかも。
ストーリー的に前編後半からはマーガレット物語だけに
実質は
大竹しのぶさん主演の舞台です。
前編前半もジャンヌ・ダルク火刑までの話なので
完全にしのぶちゃん主演です。
そしてしのぶちゃんの演技が素晴らしい。
自分の意思を持ち、行動力旺盛な二つの役を全力で演じ分け。
未だに可愛らしさを保つ彼女ならではのジャンヌとマーガレットでした。
他によかったのは。。
さすがにシェイクスピア役者、ヨークの
吉田鋼太郎さん。
前編のグロスター公と肉屋のディックが同じ人とは思えない
瑳川哲朗さん。
鋼太郎さんにだんだん似てきたウォリック伯の
横田栄司さん。
ボンクラ皇太子シャルルの
長谷川博己くん。
見かけによらず猛将のトールボット卿の
原康義さん。
グロスター公夫人の
立石凉子さん。
ヨーク公の最期のシーンはしのぶちゃんともども
鋼太郎さん渾身の演技で釘付け。
それから個人的には
山本龍二さんの七変化に功労賞を贈りたい。
初演劇出演で話題の
草刈民代さん、
華もあって立ち姿もキレイだけど・・・それだけ。。
声が舞台向きではないと。。
いや~、それにしても長かった。。
6時間半強の芝居でこれだけ疲弊するんだから
9時間なんて論外ですな。。。
千秋楽だったから蜷川さんも出てきたカテコ。
出演者の皆さんもお疲れでしょうが、
客席にもお疲れ~の拍手をしてくれましたな。
ぶっちゃけ、動けない客席のほうが疲れる。。
帰りの時間大丈夫か?のジェスチャーを送ってくれた鋼太郎さん、
ずっと客席に拍手をしてくれた上川さん、
影の功労者である掃除人たちを前に出したしのぶちゃん。
そのほか出演者の皆さん、スタッフの皆さん、
そして遠いさい芸までこの芝居を観に行った皆さん。
お疲れさまでした。