まず一幕。
華やかな頃のビール家を年老いたイーディス(
草笛光子さん)が回想。
母親のイーディス(
大竹しのぶさん)と娘のイディ(
彩乃かなみさん)の関係性、性格付けが主。
どっちも華やかな世界が好きで歌手だの女優だのにあこがれてるらしい。。
才能がなかったり奇行癖があったりで・・・みたいな感じ?
娘の婚約パーティの席で歌いたい母と歌って欲しくない娘。
娘の婚約者、ジョセフ・P・ケネディ(
川久保拓司くん)に娘の奇行をばらす母と
そのせいで二度目の婚約破棄で家を出る娘。
母と娘って娘が適齢期の頃が一番難しいかもね。
ただこの母娘はそれが過剰に出ている。。
ブーヴィエ家の血のような気がしないでもない。。
イーディスのお父さん、ブーヴィエ少佐(
光枝明彦さん)の態度からすると
イーディスに相当手を焼いたっぽいけど
一幕を見た感じではイディのほうが変わり者っぽい。。
そして二幕。
家を出たイディ(しのぶちゃん)はイーディス(草笛みっちゃん)に呼び戻されて
再びグレイ・ガーデンズで生活。
すっかり薄くなってしまった髪を隠すために
頭にストールみたいのを巻いて
奇抜な着こなしの服を着てる。。
イーディスは年老いて杖をついてるけど比較的元気。
口の達者なところも健在。
ちょっと頭の弱い近所の青年、ジェリー(拓司くん)を可愛がってる。
イーディスとイディは言いたいこと言って
時々それがエスカレートしたり。。
再びイディがスーツケースを持って家を出ようとする。。
そこにイーディスの「おなかすいた~」の声。。
この親子は共依存に近いのかもね。
結局、お互いがお互いを必要としてる。
夕食の缶詰のリクエストを聞くイディにイーディスは
「あなたが決めなさい」
この言い方が強くて優しい。
それを聞いたイディの嬉しそうな顔。。
いいラストを観たなぁ。
しのぶちゃんと草笛みっちゃんには言うことなし。
もうお見事としか。
カーテンコールで抱き合う二人がほほえましい。
全体的にいい仕事したなと思うのが一幕で執事のブルックス、
二幕で庭師のブルックスJr.を演じた
デイビット矢野くん。
今年の初めに彼の出演舞台を観まして。
その時は思ってもなかった流暢な日本語に驚いたけど
デイビッドは日本生まれ日本育ちなのね。。
今回は父と子を演じわけ。
そんなに出番が多いわけではないけれど
いいアクセントになってたと思う。
拓司くんはジェリーのほうが良かった。
ちょっと足りないけど優しい青年の無垢さがあった。
ジョセフのほうは特に何も。。
おみつさんのお歌が久しぶりに聞けた。
孫たちは可愛いけど、娘にイライラしてるブーヴィエパパを
威厳とお茶目さを加えて好演。
彩乃さんは歌声はきれいなんだけど
顔と声の表情が乏しい。。
ベテランしのぶちゃんに対峙するにはまだまだ力不足。
吉野圭吾さん、あまり印象に残ってません。。
出番少なくてもいくらでも工夫して
インパクトのある役にできたはずなんだけどなぁ。。
とはいえ、なんだかんだでいい作品でしたな。