実母ジョンストン夫人の元で育ったミッキーが
武田真治くん。
ライオンズ夫人に引き取られた双子の片割れエディが
岡田浩暉さん。
どちらも7才から始まる。
貧しい八人兄弟の末っ子として育ったミッキー。
いやーシンディ可愛いわ。
兄ちゃん姉ちゃんから悪い言葉も教わって
子ども同士の付き合い方も学んでる、
生意気でたくましいけど甘えん坊ながきんちょ。
遊びや引越しのメインじゃないシーンでも
ちゃんとミッキーになってる。
二幕では思春期、貧しいから早くから社会に出て
リンダと結婚してすぐリストラ、そこからどんどん転落していき、
ラストに繋がっていく。
ミッキーは脚本的にはきっちり書き込まれてるから
観てるほうもわかりやすいし、演るほうも演りやすいけど
シンディもがきんちょから怒濤の二幕まで好演してる。
『スウィーニー・トッド』のトビーにも通じるものがあると。。
対してエディはミッキーほど書き込まれてないし
ミッキーよりわかりにくいコンプレックスなので
演じるには難しい役だと思う。
大学に入って初めてのクリスマス、
あそこはただの能天気ボンボンになっちゃいけないんだよね。
このシーン、二人の育ちや環境、価値観の違い、
子どもの頃の血を賭けた誓いの捉え方の違いから
ラストの悲劇に繋がる布石になる重要なシーンだからね。
岡田さんは全体的には悪くないけど、ここがちょっと。。
仕事がなくてお金がない、
お金が生活する上で欠かせない物だと身を持って知ったミッキーに対して
エディにとってのお金は子どもの頃に分け合ったおやつや
おもちゃのピストルと同じなんだと思う。
仕事を探してるというミッキーを元気付けようと
明るく振る舞うのはいいんだけど
能天気過ぎると単なる無神経坊っちゃんになっちゃう。
7才ももちっと肩の力抜けてたらよかったんだけど。。
実年齢40過ぎてるからなぁ。。しゃーないか。。
二幕後半はよかったね。
青年政治家に見えたしね。
二人に愛されるリンダの
鈴木亜美ちゃん。
カワイイよねぇ。。
でもねぇ。。
遊びと引越しのシーンで「鈴木亜美」に戻ってる。。
段取り追ってるなぁって感じでね。
動きが自然じゃないんだよなぁ。。。
ジョンストン夫人はダブルキャスト。
今のところ、
金志賢さん二回、
TSUKASAさん一回観劇。
どっちにも独特の個性がある。
キムさんはバリバリのミュージカル女優、
TSUKASAさんはロックヴォーカリスト。
どっちが好みかは分かれるところでしょうな。。
全体の流れが自然なのはキムさん、
ジョンストン夫人らしいのはTSUKASAさんって感じだったかな、私的には。
TSUKASAさんを観るのは初めて、
『RENT』のミミをやったことのある人らしい。。
ハスキーヴォイスでありました。
キムさんはナマでグリザベラ、テレビでラフィキを観たけど
台詞喋ってるのは初めて聞いた。。
思ったより訛りないのね。。ええこっちゃ。
ライオンズ夫人の
久世星佳さん。
私的メインです。
最初に観た時、暗めのオケの間から出てきた時は
正直「ふ、老け役なのか?」と思っちゃったさ。。
老婆に見えちゃったんだもん。。。
照明当たったら普通の若奥様でホッとしましたが。。
芝居としては、ライオンズ夫人の無邪気で酷な思いつきから
不安、恐怖、疑心暗鬼、そしてラストまで。
ライオンズ夫人の心の動きがよくわかる好演。
ナレーターの
下村尊則さん。
配達人のおじさん
(←わかる人にはわかる)に近い役。
長い四季生活でまだ四季芝居が抜けてませんが。。
こういう役だからとりあえず抜けてなくてもいいんだけど
これからは抜いていかにゃならんでしょうな。。
ちょっとお太りになりましたかね?
存在感は昔からある人だけど
独特の癖の部分は好き嫌いあるでしょうな。
ヒノデロが抜群に上手い人だからなぁ。。
(←わかる人にはわかるネタ)癖が抜けすぎても下村さんじゃない気もするし。。
とりあえず退団後の復帰作は当たりかなと。
アンサンブルでイマイチな人が男女一名ずつ。。
ジジの時は悪くなかったのになぁ。。
小さい劇場だとアラも見えやすいからねぇ。。
ラストは後味悪いっちゃぁ悪いけど。
あんなこと言われてすぐ死なれたオカン、
そりゃ心が石になりますわな。。
それなのに暗~い気持ちにならないのは
ミッキーとエディの手を重ねるジョンストン夫人と
エディにコートをかけるライオンズ夫人、
二人の底知れぬ愛情の深さゆえですかいのぅ。。。
さて9月は藤岡×田代のヤングチーム二回観劇予定。
田代くんはぜんぜん知らないお方ですが。
藤岡くんは貧しい家の子にふさわしく痩せたのか、
そこらへんにも注目しつつ観に行こうと思います。。