まず暗転の長さ。
薄灯りがついててセットをいじるスタッフが見えるのはいいんだけど。
場面転換に時間かけ過ぎて
二時間の芝居なのに集中力切れまくり。
ダラダラ感で素晴らしいセットを活かせてない。。
そして脚本と演出と役者が剥離して見えること。
笹部さんのホンは台詞に頼りすぎて
行間が読み取りづらい。
イプセンに思い入れの強そうな笹部さんだけど
思い入れってのは時に邪魔にもなるんだね。。
某フラガールの某羽原氏のごとく。。。
タニノクロウ氏は精神科医でもあるので
頭いいだろうし人間の精神心理を理解もしてるだろう。
ただ頭よすぎたんじゃないかなぁ。。
脳みそで考えたモノが
役者さんたちにも客席にも伝わりきらなかった気がする。。
伝わってるんだけど奥までは届かないというか。。
芝居の途中で自分の短い「んが」ってイビキで目を覚まし、
咳払いでごまかしたおじさんがいた。
いつもならムカつくおじさんになるけど
今回ばかりはおじさんを責める気にはならなかった。。
で、出演者。
役者さんには特に文句はないんだけどね。
エイヨルフくんもかわいいし
マメ山田さんもかわいいし。
主要4人も役のキャラは掴んでるし。
そんな中、今回のMVPは
馬渕英俚可さん。
アルフレッドの腹違いの妹アスタ。
かと思いきや、実はまったく血の繋がりのない妹。
彼女が出てると眠気が吹っ飛ぶ。
特に島の教会の馬渕さんは絶品。
台詞を聞かせる、芝居を見せる。
それがきっちりできてるから眠くならずに観入っちゃう。
いい女優さんになったなぁ。。
次の公演のチラシ見てたら観に行きたくなった。。
勝村政信さんのアルフレッド。
ダメダメちゃんぶりがいいねー。
嫁にあんなこと言われても別れないのかーな人だけど
勝村さんだと「あんたは別れないよね」と納得しちゃう。
や、勝村さんの演技で納得しちゃうんだ。。
とよたさんはアルメルスの妻リタ。
夫を一人占めしたい、息子にさえも取られたくない。
わがままで可愛い部分もあるけど可哀想な女。。かな。
難しい役だし、『リア王』の時ほどいいとは思わなかったけど
容姿で「ま、いっか」になっちゃった。
それはそれで別にいいけどね。。
野間口徹さんはアスタを好きなボルグハイム。
かなり紳士的な人だけど、
教会で積極的にアスタの本音を引き出してくる。
野間口さんのいいところは声と口跡のよさ。
ボルグハイムはそんなに裏のある人じゃないとは思うけど
野間口さんがやると何故か何か企んでるように見える。。
これもそれはそれで別にいいけどね。。
睡魔と闘い、台詞を追うのに疲れたけど
睡魔の襲来がなくても疲れたと思う。。
こんなに集中力を要する舞台だと思ってなかったもん。
「ちっちゃなエイヨルフ」という言葉のもつ意味とか
エイヨルフがなぜ足に障害があるのかとか
兄妹の微妙な関係とか
睡魔に負けてたら聞き逃してたかもしれないし。
もちっと客の集中力を保てるように作ってくれたら
もっと面白い作品になっただろうにね。
惜しいなぁ。。。