脚本と演出に加えて良かったのが捕虜たちのノリ。
いかにもアメリカ人らしいノリでリアリティを生んだ。
中でも期待の人がやってくれました。
瀧川英次くん。
「ツーアウト」で発見した期待の役者。
あの時も役のキャラに合わせた絶品演技だった。
今回も女好きの陽気なアメリカンで絶品演技。
しかも瀧川くんの存在が重くなりがちな空気を緩和している。
この芝居の中の自分の役割を十分理解した上で
任された以上の仕事をしている。
素晴らしい。
カムカム
松村武さんのリーダーらしさ、
袴田吉彦くんのメリハリの効いた二面性、
おかやまはじめさんの暖かみのあるオヤジっぷり、
池上リョヲマくんのみんなに遊ばれる軽味、
小村裕次郎さんの独特の存在感、
粟野史浩さんの暴力的な正義感の説得力、
小林十市さんのぼんぼんらしい品の良さ
堀文明さんの軽薄さを含んだ人懐っこさ。
捕虜を演じる人たちはきっちり役目を果たしたね。
ドイツ兵の
田中幸太朗くんには驚いた。
テレビでしか見てない舞台版セカチュウの朔太郎はイマイチだった記憶がある。
けど、今回の田中くんは素晴らしかった。
アメリカ育ちの陽気な部分と
ドイツ兵としての冷淡さが上手くミックスされて
この芝居にアクセントを付けた。
収容所所長と査察官を演じ分けた
斎藤洋介さんも上手い。
ネチネチ尋問すんだろうなぁ的所長。
軽薄そうだけど公正中立だろうなぁ的査察官。
対照的な役を見事に演じ分け。
さて、主役の三宅健くん。。
・・・残念です。
収容所で信じられるのは自分だけ、
スパイの疑いをかけられて孤立する捕虜セフトンですが。。
軍人の骨太さが皆無。
そりゃ小柄な池上くんも骨太くはないけど
そういう役を与えられてるわけだしね。。
セフトンは他の捕虜たちと対峙しなきゃいけないから
三宅くんだと迫力負けしてしまうんだな。。
ガキがいきがってんじゃねえよ、みたいになってしまう。。
声にも迫力も説得力もないしなぁ。。
台詞回しも変な癖があって、且つ一本調子。
全面的に柄違いとしか言いようがない。。
適役セフトンはいくらでもいるのに。。
そういう人がやってたら大傑作になってたのに。。
もったいない。。