水尾は今でも盛の未練タラタラだし
盛の昔の台詞を言ったり、タンゴ踊ったりするのも
そういうことの表れなんだけど。
常盤さんは舞台2回目で経験不足が露呈してしまった。
台詞を客席の後ろまで届かせるのに精一杯。
まわりが達者なだけに、拙さは目立ってたけど
浮いてるっていうのとは違います。
それが段田さんの力量のおかげなんですな。
役的には水尾は連を愛してるってわけじゃなくて
連が一方的に愛してる感じなんですが。
芝居的にも常盤さんがまわりが見えてないぶん、
段田さんが上手く常盤さんをリードしてる。
堤さんもそうしてるなと感じるシーンはあるんですが
全体通してみると役柄的な関係もあって
段田さんと一緒のシーンのほうが常盤さんの硬さが取れてる。
舞台の段田さんにはとてつもない包容力があるんだなぁ…
「ヴァージニア・ウルフ~」の時もそうだったもんなぁ。
あと、やっぱり段田さんはコミカルなシーンでも
シリアスなシーンでも、自分をコントロールできる人。
二幕冒頭のやたら食べてるシーン。
こういうシーンの時にやりすぎる役者さんているんですよ。
でも、段田さんは抑制が効いてる。
このシーンで絡んでくる高橋洋さんを見て
「あわれ彼女は娼婦」での高橋さんがやりすぎ感で
押し付けがましかったのを思い出しました。
押し付けがましくなく笑わせてくれるし。
押し付けがましくなく共感させてくれる。
段田安則さんはスゴイ役者だ。