市村さん演じるロバートは初老のベテラン舞台俳優。
藤原くんのジョンは前途有望な新進俳優。
同じ劇団に所属しているのかもしれない。
ロバートはジョンにいろんな話をする。執着してると言ってもいいくらい。
ジョンは最初は表面的に聞いてるような感じだが、だんだんうとましさを露骨にぶつけるようになる。
このへんまではよくある年配者と若者の関係。
しかしロバートが老いを感じさせるようになると二人の関係が変わってくる。
はじめはロバートがジョンを役者として人として導こうとしているが、
ロバートに老いからくる衰えが見え始めると
少しではあるけどジョンはロバートに対して労りの気持ちを見せるようになる。
つまりロバート>ジョンであったものがジョン>ロバートに逆転する。
そしてロバートは役者として生き続けていく、たぶん死ぬまで・・・
ロバートは、同じバックステージもの『ドレッサー』の座長に通じるものがあります。
役者としてしか生きられない、舞台に立つことだけが彼の人生であり存在を示せる場所なんだと思う。
対するジョンはまだ若く勢いも才能もある前途有望な若手。
チャンスがあれば他の舞台もやりたいし、上昇指向も旺盛。
ロバートに取り入って・・・みたいなことも最初は考えてるっぽいけど
役者として大きくなるにしたがって傲慢な部分も顔を出してくる。
ロバートはジョンに若い頃の自分を見ているんじゃないでしょうか。
若い頃には傲慢だったり生意気だったりするもの。
歳をとればそんな若者にムカついたりもするし、ロバートもイライラしてる。
ロバートには家族がいないようで、おそらく天涯孤独。
ジョンの才能は認めてる、だからこそジョンにかまうし、かまってもらいたい・・・
ロバートはそんなふうに見えました。
いい話だと思うんですよ。
演劇界の二人の代表的な俳優を使ってて贅沢だし、
テーマとしても普遍的で盛り上がるはずの話。
ところが・・・
まず場面転換がかったるい。暗転続きで正直ダレます。
もっとテンポよくやれば一時間半で終わるのに。
場面場面がぶつ切れっぽくなって、あーもったいない・・・
あと、やっぱり場面多すぎじゃないかなー
エピソードを半分に減らして、二人にがっぷり組んだ芝居させたほうが濃い芝居になった気がする・・・
あー、もったいない。