幕いらん。
冒頭の曲いらん。
まず暗転から首つりロープにピンスポ
↓
ボビー(
長塚京三さんね)がピンスポ内に
↓
部屋全体が明るくなる
↓
デニス(
筒井道隆くんね)ふわふわ登場
みたいな流れじゃなきゃインパクトないじゃん。
つかみが悪いから早々に後ろから寝息が。。。
派手な展開とは言えない台詞劇なんだから
つかみだけでも工夫しろってもんだ。。。。
ハリウッドっぽい音楽流しゃいいってもんじゃなかんべよ。。
演出家って客を退屈させないようにするのも仕事じゃないの?
いかん。。。感情的に爆撃してる。。。。
でもね~。。
山田氏の演出は苦笑いさせられること多いのよ。。。
あ。一個だけ誉めとこ。
ドアの向こうに『ティファニーで朝食を』のポスターが貼ってあった。
古き良きハリウッドの象徴は
ボビーのオフィスの外にあるってことに思える。
オフィスの中で映画にこだわり続けるボビーと
オフィスの外にある昔のハリウッドの栄華。。。
ボビーが第一線に復帰することはないという暗示。。。
そしてその外からやってくるデニスが
これからのハリウッド映画を作っていく。。。
まあ、上手側の客にしか見えんのがアレですが。。
美術さんが貼ったのかもしれんし。。
適当に貼っただけで深い意味はないのかもしれんし。。。
出演者はよかった。

三人とも個性あるけど癖がないから
微妙なサジ加減でうまいこと咬み合ってる感じが面白い。
長塚パパは「黄昏」で80のジイサンやってる時より
こっちのほうが合ってる。
まだ第二の人生を歩む余裕のある年齢で
純粋だけど適度に頑固で。。。本当は優しい人で。。。みたいなね。
タキシード着てコート持って部屋を出るときの
全部吹っ切ったみたいな表情がよかったな~。。
このあと「あのやさしい夜のなかへ」のような生活が
ボビーとメアリー(
久世星佳さんね)に待ってるといいなぁと。。。
筒井くん、生で観るのは何年ぶりか。。。
「彦馬がゆく」以来ですか。
当時は声が通らなくて棒読みっぽかったけど
いろんな経験積んで来て棒読みっぽさの中にちゃんと感情が入ってた。
筒井くんの飄々とした雰囲気が
デニスの見た目好青年、実はけっこう計算高いマザコン。。
ってキャラに説得力持たせるから不思議。。。
デニスってそこそこ仕事はやれるだろうけど
HIPだろうがなんだろうが、
キューブリックやタランティーノまでにはなれないだろう。。
てなとこまで思わせてくれたとこも不思議。。。
ちょっと他にはいないタイプだなぁ~。。
久世さんの見た目冴えない系って初めて観たかも。。
こういうタイプって昔の映画によくいたな。。
『グリース』で観た覚えがあるな。
不器用にしか生きられないけど、
物事の本質はビシッと見えてる女の子みたいな役。。
あ、メアリーは女の子じゃないですけど。
離婚歴もあるし妊娠したこともあるし
職歴も豊富だし。。。そういえば妊娠のその後はどうなったんだろ。。。
メアリーはけっこう懐深い女性で
でもいろいろ複雑な過去持ってるし簡単な役じゃないと思うけど
やっぱ久世さん上手いや。
不器用なりに一生懸命なメアリーにとって
希望のあるラストだったのは救い。。
いつもそうだけど
演出の不備を役者さんたちがカバーするって構図。。。
みたいな山田氏演出作品。。。
「ダンス・オブ・ヴァンパイア」「プライベート・ライブズ」etc…
なんとかならんのか。。。