とはいえ、
中嶋しゅうさんの超好演で
アールとレイの心の葛藤より
ヘンリーの過去と最後の数日間のほうが印象深い。
同じ暴れるんでも深みが違う。。
キャリアの差もあるからしゃーないわな。。
つうことで、出演者の印象を。
アールの
谷田歩さん。
鋼太郎さんの劇団所属ね。
自分の弱さを弟だけには知られたくない兄だと思うが。。
演技的には悪くないんだけど・・・
小さい声だとマジ小声になって聞き取りづらい。
囁いてもさい芸大ホール最後列に届く発声を
鋼太郎さんから伝授してもらってください。
レイの
伊礼彼方くん。
ヘンリーが家を出た時はまだ小さかったんで
記憶がごっちゃになってて、知らないことも多い。
そんなイライラから遺体の運搬人にも
隣人エステバンにもタクシー運転手にも攻撃的な弟。
何かを隠してるアールにも暴力的に・・・
・・・という攻撃性の裏付けが浅い。
「生きてる親父の姿をもう一度見たかった」みたいな台詞があったよね。
レイのイライラの大元はそこなんだから
父親に対する感情が見え隠れしなきゃね。
時々首をカクッとする癖も治したほうがいい。
二人ともラストはもっと大事に演じないと。
さらっと流しちゃダメじゃん。
ヘンリーの隣人、メキシカンのエステバンは
田中壮太郎さん。
はじめて壮太郎さんが上手いと思いました。。
二枚目やっても普通の役やってもそつなくこなすんだけど
印象に残りにくいというのが壮太郎さんのイメージだった。
こういうちょっとクセのある役のほうが断然いい。
重いテーマの芝居の中でホッとする存在でもあったしね。
タクシー運転手の
福士惠二さん。
上手いなぁ。。
レイにむちゃくちゃ言われても逆らわない、
ヘンリーの強引さにも面と向かって逆らわない。
でも気弱なわけじゃないんだよね。
揉めるのが嫌なだけだと思う。。
自分の生まれに誇りを持ってる、
仕事もきちんとやる、わりと信念の人だと思う。
人物像がちゃんと伝わるってやっぱり上手いよね。
謎の女コンチャーラの
久世星佳さん。
インディアン女と言われてたので衣装や髪型もそれ風。
対ヘンリーと対アールでコンチャーラのキャラが違うってのがいかにも謎。。
謎の女なのでそれでもいいんだけど。。
ヒステリックな笑いでイライラさせないのはいいが、
対ヘンリーの時はもっとエロいほうがいいんじゃないの?
久世さんにエロを求めるのは無理かもしれんが。。
対アールではギリシャ神話に出てきそうな女神の雰囲気がある。
こっちは悪くない。
ヘンリーのしゅうさん。
芝居が始まった時にはヘンリーは死んでるので
すべて回想シーン。 あ、コンチャーラもだけど。
圧倒的に上手い、上手すぎる。
家を出た経緯、アールに対する威圧感、
誰に対しても感情表現が上手く出来ない孤独感、そして死。
上手すぎて言うことありません。
この芝居ってどこが舞台になってんのかが気になった。
アルバカーキという地名を頼りに調べると
アメリカ南西部のニューメキシコ州。
どこの街かはわかりません。。
ま、どうでもいいちゃいいんですけど。