その再会シーン、わりと斬新だった気がしますな。
両性具有からアダムとイブへと神が創造したとかいう絵画を使ってね。
オリヴィアとオーシーノーのタイミング計りつつの演じ分け。
変に後ろ姿の影武者なんかを使うこともなく、
意外に違和感なく観られたと思う。
むしろ演出的にはサー・トービー達のドンチャン騒ぎの歌が邪魔。
生演奏だけでよかったのに。。
松たか子さんの二役は面白かった。
男装したヴァイオラがオーシーノーの股おっぴろげを見て
こそこそと足を拡げるとこなんて微笑ましい。
ここだけでもヴァイオラが
「今の運命よりは上ですが、今でも紳士の身分です」
と言うように、いいところのご令嬢であることがわかる。
セバスチャンの時、衣装や髪型が変わるわけでもなく、
声すらそんなに変えてないのにちゃんと別人。
さすがです。
オーシーノーの石丸幹二さん。
今となっては記憶薄。。
まあ、オーシーノー自体がつまらん役ではありますが、
昔、松橋登さんがやってたオーシーノーは
扱い難いナルシストでわりと面白かったんだなぁ。。
普通に二枚目でやっても面白くない役だよね。
吟遊詩人やってる時の幹二さんのほうが魅力的だった。
りょうさんのオリヴィアはMVP。
公爵の小姓シザーリオと名乗るヴァイオラを男と思い込んで恋をするというオイシイ役。
喪服からだんだん派手になっていく衣装もお似合い。
コメディ要素が強い上に、ヴァイオラと並ぶ主役級の役を
大げさすぎずに演じてるりょうさんを見て、
初舞台の時に比べて上手くなったな~と感無量。
道化のフェステは笹野高史さん。
台詞回しも軽快、動きも軽快。
どことなく漂う哀愁もいいねぇ。
サー・トービーの大森博史さん。
なーんか・・・重い。。
サー・アンドルーの片岡亀蔵さん。
おバカで金持ちのボンボン。
見事なおバカでしたねぇ。
マライアの荻野目慶子さん。
キャンキャンしてたのは覚えてるけど。。
マルヴォーリオの串田和美さん。
んー・・・悪声もあって、話の流れを切ってしまっている。
手紙を読むシーン、トービーアンドルーマライアたちがリアクション取りづらそうだった。。
基本的にコメディ向きじゃないし
マルヴォーリオに必要な愛嬌のあるタイプでもないし。。
演出家としては一流なんだから、役者はもういいんじゃ。。
十二夜って、ヴァイオラが凛々しい美少年シザーリオになってて
オリヴィアとマルヴォーリオとフェステが面白けりゃ
それなりに楽しめる作品だと思うんです。
今まで何度か観てるけど。
完璧な布陣ってのはなかなかありませんな。