私の個人的傍受としては。
最初に作家が下手側の椅子に座った時から
ラストに上手側の椅子に座る作家を全員が囲むまでを
作家が頭の中で作り上げる次作品かなと。
別に作品じゃなくてもよくて
単なる空想とか夢でもいいんだけど。
そうでもないと時系列的にも物理的にもおかしいもんね。
書類の文字が消える、あった事がなかった事になる。。
頭の中で考えてることって
「こうしたらどうだろう」
「いや、こっちのほうがいいか」
あっちこっち飛んだり戻ったりするってあると思うのね。
夢もそうでしょ。
いわゆる「変な夢だった」みたいなやつ。
だから奥さんや編集者みたいな身近な人物から
刑事とか医者兼人形の先生、通りすがりの女、妙に若いお手伝いさん、
挙句に酷評された自分の作品の登場人物まで出てくる。
なんとなく医者の言動が怪しいのは
もしかしたらこの医者が作家の脳内を操ってるかも・・・でもいいし。
でもま、これが正しいとも思ってないんですけどね。
私が個人的にそうなんじゃないかと思ってるだけで。
いろんな感じ方や捉え方があってもいい。
プルミエールで
長塚圭史くんが言ってた
「冒険してみたかった」「演劇の可能性を探りたい」
「話があちこち飛んでそれが同時進行するみたいなものができないかなと」
ちょい記憶あいまいですが。。
なんせ、そのあとの『えれがんす』SIS三人組の会話が面白かったんで。。。
客から金とって冒険すんなよとも思うけど
言いたいことややりたいことはなんとな~くわかる気がする。
稽古が始まる前、ワークショップにかなり時間を割いたらしいし
やりたかったことはだいぶやれたと思うし
自己完結じゃダメなのも少しは理解してくれたっぽいし。
長塚圭史はこれからの人なのかもしれん。。
普通の芝居もできるよってのがないと
年齢的にそろそろヤバイとも思うけど。
それと。
なんで『失われた時間を求めて』がダメだったのかが
この芝居を観てわかってきた。。
阿佐スパには舞台を引っ張れる役者、
屋台骨をしっかり支えられる役者がいないんだな。。
だから客演が複数必要になる。
奥菜恵さん一人では無理があったし
奥菜さんにそういう役を与えなかったしね。
その点、今回は実力もキャリアもある人を複数集めて
主要な役を割り当てたことで舞台の上が安定する。
わかりづれぇ~ってのも少しは緩和される。
この作品は傑作とは言いづらいけど。てか、言えないけど。
圭史くんの少しは外向きになった作風と
実力ある出演者でなんとかなった作品だと思う。
出演者では特に女優さんがいいね。
特に
村岡希美さん。
振り返れば去年から村岡さん出演作品はずっと観てる気がする。。
別に追っかけしてるつもりじゃないけど
それだけそそる作品に出てるってことだよね。。
馬渕英俚可さんもよかった。
ヘタすりゃ意味わからんカップルで終わってしまう女と男だけど
まぶちん大健闘。
なんせ相手が
伊達暁くんだから。。
まぶちんがいたからあのカップルの意味がわかったんだもん。
小島聖さんの満智子もグッジョブ。
いかにも謎の女って空気がいい。
空気だけじゃなくて動きも表情もいい。
男優さんでは
光石研さんね。
雰囲気の切り替えが抜群に上手い。
ちょっとした目の動きとか表情だけで自分の周りの空気を変えられる。。
映像でも超いい人から極悪人まで幅広く演じてる光石さんだからね。
上手いなぁ。。
池田鉄洋さんの野口も良かったね。
ワンダーランドの中でなんかおかしいことに気づいて
なんとかしようとしてる一人。
イケテツは緊迫感を醸し出してて好演。
山内圭哉僧正の使い方はちょっともったいない。。
猫を探すのか探さないのか、
どうして探しにいくのか、
そもそも猫に何の意味が?
みたいな事が脚本的にあいまい。
最後に作家に本を渡すのはこれで作成完了みたいなことだと思うけど
その後に「猫、探したほうがいいですかね」の意味がようわからんかった。
加納幸和さんの梶原ってようわからん存在ではあるけど
それでいいんだと思う。。
わかってるのかわかってないのか曖昧にしとくべき役だと思う。。
うわ。。
書いてたらやたら長くなっちった。。。
さすがに最後まで読む人がいるとは思えんから
ま、いっか。。
自己満足でいいんだ、自己満足で。。