面白い構成の作品だと思う。
一幕でジョルジュと恋人ドットが生きた19世紀末のパリ、
二幕で二人の娘マリーとその孫ジョージが生きる現在のアメリカ、
そしてラスト。。。。
亜門氏の照明プランも冴えとる。
上手い役者も女優陣を中心に揃っとる。
いや~いろんな意味でようできとる。
できとるけど。。
ジョルジュは英語発音ではたしかにジョージだけどさー。
ここはパリなんだし、他にジュールやシャルルと呼ばれてる人がいるんだから
一幕はジョルジュで通すべきだったんじゃないかなぁ。
これがもう気になって気になって。。。
ではまず一幕。
若手というか、兵隊役の東宝組二人の浮きっぷりが。。
はっきり言って・・・・邪魔だった。
この二人のおかげで他の難が目立たないメリットもあったけどね。。
話が進むにつれて、幹二さんに対する不安も薄れていった。
これは戸田姉のフォローが大きいと思うけど。
ただやっぱり『スーラを演じる「石丸幹二」』がぴょこぴょこ顔を出す。
ドットの戸田姉は上手いなぁ。
早口言葉みたいな歌詞もはっきり聞き取れるし
細かい表情の変化でドットの心の動きがよくわかる。
ダンディで嫌みな
山路和弘さんが素敵です~。
一幕ラストから二幕にかけての繋がりもようできとる。
もしかしたらここが一番の見せ場かもしれん。。
二幕。
幹二さんはこっちのほうがよかった。
スーラのほうは神経質すぎて幹二さんには似合わない。
スーラの曾孫ジョージは適度な軽さがあってね。
あまり能動的な役じゃないからかな、
こっちのほうがやりやすそうだし、似合ってる。
戸田姉はマリー。
終始車椅子に乗ってるおばあちゃん。
おばあちゃん独特の可愛さと悲しさがある。
あ、マリーがボケる度にやたらでかい声で笑ってたのは
恰幅のいい外人さんかしらん。。
まあたしかに面白かったけど。。いいけど。。。
このシーンは戸田姉独壇場。
幹二さんは食われて目立たない。。。
それから山路さんの、えっと支配人?
山路さんからは想像できない小物感に爆笑。
鈴木蘭々さんも二幕のほうが印象に残る。
畠中洋さんの技術屋もよかったね。
ラストシーンはホントにようできとる。
ありがちっちゃありがちだけどね。
出演者の上手さで感動できる。
で。
通して一番印象に残る出演者。
諏訪マリーさん。
一幕では偏屈だけど愛情深いスーラの母。
二幕はやり手のキャリアウーマン(独身)
表情、動き、歌、台詞回し。
完璧としかいいようがない。
ラストシーンは諏訪さんの表情を見るだけで心が揺さぶられる。
部分的に印象的なのは
野仲イサオさん。
もともと滑舌がいいとは言えないイサオ氏だが
労働者としてスーラの本質を言い当てるとこは結構説得力があったね。
春風ひとみさんは便利に使われた感じ。
上手い人なのにもったいない使われ方だったね。
特に二幕はね。。。。
いい作品だし、それなりに楽しめるけど
傑作とまではいかなかった。。
ミュージカル界、若手男優の層が薄くないかい?
主演級は芳雄くんと、あとポチポチ出始めてるかもしれんが
助演級はなんだか心許ない感が否めない。
帝劇サイズとPARCOサイズ。
広さの違いは立ち方、演じ方の違いに出なきゃダメなんじゃないかなぁ。。
でかいとこばっか出てるだけじゃ
役者として揉まれて育つという経験はあまりないのかも。
まぁ、今回の経験が今後に活かされればいいけどね。