ストーリーとしては悪くないのに
運び方がよくないからさ~
安兵衛と妻の別れとか
大石邸でのネタばらしとか
見せ場でもあるはずの場面の底が浅いんだなぁ。
一番カチンと来たのは
吉良邸に討ち入って、まだ吉良ホモシーンをやってたこと。
別に吉良がホモでもゲイでもいいんだよ。
ただ浪士たちが討ち入ってる時までやるこたあないじゃん。
いちおうあそこは大団円だべ?
ふざける場面じゃないんじゃないの?と。
原作でもこんなマヌケな討ち入りになってんのかねぇ?
先程も書いたけど、浅野と四十七士のキャラもなぁ。
君主がアホなら家来もバカなのか?みたいな。
まあ、それでも浅野はまだ理解の範囲内だけど。
安兵衛源五磯貝衛門七など全員がおバカキャラって。。
なんじゃそら。。
忠義の侍で描けとは言わん。
バカはないんじゃないの、バカは。
んで、こんな扱いの浪士たちを
内田滋くん
八十田勇一さん
六角慎司さん
新谷真弓さんがやってる。
・・・もったいなさすぎだろ!
こんな役でも与えられたもんはきっちりこなしてるからねぇ。
余計に不憫じゃったわ。
脚本以前にキャラ設定に問題あるから
素直に笑えるところと、呆れるところに別れちゃうと思うんだなぁ。。
それからね。
初舞台初主役の
藤木直人さんをフォローしよう、
盛り上げなくちゃってのがまわりの人たちにあるのはわかるけど
申し訳ないけど、今の藤木さんでは
それに応えるだけの実力も余裕もないんだよね。。
ある程度フォローは必要だとは思うけど
なんていうか・・・過保護にすぎて、かえって埋もれるっていうか。。
実際、そこにいるのに存在が消えたりしてたもん。
経験の差、地力の差が如実にでて、
主演:橋本じゅん、共演:生瀬勝久、中越典子 他
みたいだった。
てな感じで、この三人の印象が強い。
中越さんは『ダブリンの鐘つきカビ人間』のおさえちゃんが悲惨でねぇ。。
めちゃめちゃ美人なのに芝居がぁ・・・
みたいだったのが嘘のような達者ぶり。
冒頭で琵琶を弾きながら吟じてる声から
恋するお軽まで、自分の声のコントロール、
感情のコントロール、舞台の立ち方がちゃんとしてる。
こんなに成長するとは思ってなかった。
おみそれしました。
じゅんちゃんもいいねぇ。
あんなこんなで討ち入りできなかった内蔵助の苦悩とか戸惑い、怒り、
複雑な内蔵助の心情がちゃんと伝わってきた。
生瀬さん、当たり前のように上手い。
緩急自在とはこういうのを言うんだね。
有名な「天野屋利兵衛は男でござる」
の天野屋とはかなり違う天野屋。
利権のために赤穂浪士が討ち入りするように画策する狡猾さも上手けりゃ
笑わせどころで絶対に役からはみ出ることなく、
しかも絶対にやりすぎないとこなんか名人級。
他に印象に残るのは
中村まことさんの器用さ。
粟根まことさんのこれまたやりすぎない手堅さ。
討ち入りが決まった後限定で内田くんの一本気な侍ぶり。
仁さんの動きの良さ、間の良さ、人間なのに見事な忠犬ぶり。
スズカツ。。
ラストの桜ではごまかされんぞ。
蜷川さんとか野田さんの桜に比べりゃ。。
あのず~っとある上手の木は桜の木か?
どうみても日本にありそうな植物じゃなかったわ。。
そして。
「♪スタンド・バイ・ミー」。。
意地になって使ってるとしか思えん。
開演前に流すBGM。
自分の好みじゃなく作品の雰囲気で決める気はないんかい。
どんだけ自分大好きやねん。。
それと一部だとは思うけど。。
藤木ファンの人。。
舞台を観に来てるのは主役のファンだけではないんですよ~
観劇マナーって大事ですよ~
ファンのマナー次第で
芝居もその俳優さんのイメージもぶち壊しますよ~