演出的なでかい不備が一つ。
円形なのに、あれじゃ完全にHブロックを正面と定めてるやないのー。
そりゃまあ、関係者は観やすいとこに座らせたいんでしょうが。
関係者、有名人はほぼHブロック、またはAかG。
うわ、あからさまー。
一般人は自分なりに楽しみみつけたる!と卑屈になってたら、
最後の観劇、千秋楽では
演出家の指示か、役者さんたちの工夫か、
どこでもおいしく観れてるような気がした。
これが当たり前だと…
ストーリーは。
5年前に別れた元夫婦が新たな相手との新婚旅行先のフランスのリゾートホテルで隣の部屋に!
焼けぼっくいに火がついて、二人は新婚初夜だというのにパリに逃避行。
ラブシチュエーションコメディとでも言いますか。
翻訳劇は脚本の言葉選びが重要なんですな。
ダム・ショーは失敗例、
プライベート・ライヴズは成功例。
日本人に理解しやすいものにしなきゃ意味がない。
VIVA!
飯島早苗大先生!
千秋楽の公演前に、トイレで大先生に遭遇。
トイレじゃなきゃ握手してもらったのに…クソー…
カーテンコールに引っ張り出された大先生は照れ臭そうに赤面しておられました。
出演者。
若い嫁さんもらった、ある意味DV亭主、エリオットは
葛山信吾さん。
葛山さんの舞台は二度め。
燃えよ剣以来ですが、そのときはなんの印象もありませんです…すんません…
で、今回。
最初観たときは、いっぱいいっぱいという感じ。
汗だくで一生懸命、まだ余裕ない感じでしたが、
観るたびに余裕が感じられるようになってました。
エリオットはいわゆるダメ男なんですが。
すぐ怒るし、すねるし、殺すとか言うし、殴るし。
普通ならムカつくような役ですが、
イケメン葛山さんだからかなー、しょーがねーヤツだなーと思うけど憎めない。
楽日には結婚はともかくとして、一緒にいれば飽きない魅力的な、でもダメ男エリオットになってました。
エリオットの元妻、アマンダは
久世星佳さん。
アマンダはエリオットと似た部分があって、ダメ女ではあるけど、
エリオットより理性はあるかな。
久世さんは最初観たときから余裕もって演じてました。
二回めの時に感じたんですが、二幕、
久世さんが二人のテンションを上手くコントロールして場面をリードをしてるように見えました。
綺麗だったし、こちらも憎めないアマンダになっててなにより。
コメディの上手い女優さんはいい!
アマンダの新しい夫、ビクターは
演劇集団キャラメルボックスの
西川浩幸さん。
数年前、キャラメルボックスを観てた時期があったんですが。
その頃の西川さんは上川隆也さんと二人、名実ともに看板俳優。
いつも主演してて、暑苦しいキャラメル役者の演技を真ん中で中和してるといった感じでしたが。
TRUTHという作品で、西川さんが真ん中からちょっと離れたら
暑苦しさが三倍増し、というか、うざかった。
で、キャラメルボックスは観なくなりました。
西川さんは相変わらず味がある役者さんでしたよ。
堅苦しい英国紳士のビクターを、西川さんらしい愛嬌あるキャラにして
セリフも動きも絶妙の間で爆笑を誘ってました。
西川さん、そろそろ一本立ち、考えませんか?
エリオットの新妻、シビルは
ともさと衣さん。
初めて観る女優さんでした。
よく考えたらシビルってヤな女なんだなー。
涙を最大の武器としてる女って嫌でしょ?
ラスト、ビクターに「お前、うるさい」と言われるくらいうるさい声で叫んでますが、
確かにうるさいんですが、うるさいと思われたら成功なんでしょうね。
貞女ぶってるときより、ビクターと罵り合ってる時のほうがイキイキしてました。
三幕だけ登場する唯一のフランス人、メイドのルイーズの
詩梨さん(良かったです)も含めて
いい雰囲気のカンパニーがそこにはありました。


千秋楽まで変わらなかったものの一つ。
最初の出はエリオットとシビルで、
次にアマンダとビクターが出ます。
葛山&ともさとペアは決して下手ではないし、
楽に向かって日々進歩してたんですよ。
でもね。
そのあと、久世&西川ペアが出てきたら、その差は歴然。
やっぱりキャリアと言いますか…
舞台は経験が大事ってことですかね~
ただ場数踏みゃいいってもんでもないんですけどね。
若い役者さんたちが、こういう経験で一皮も二皮も剥けて
でっかくなってくれると、芝居好きとしては嬉しいです。