クロロック伯爵:山口祐一郎さん。
役作りとしてはトートに近いですね。発声も同じだし。
音程の安定感は抜群ですが、観劇2度めの「抑えがたい欲望」…ウトウトしました。
長いソロナンバーで心がこもってなくて退屈だったんだもん。
アプロンシウス教授:
市村正親さん。
風貌はアインシュタイン風、チャップリンみたいな靴をはいてるチャーミングな教授。
コミカルな演技も歌も面白かったけど、別に市村さんじゃなくても…
市村さんだからもったとも言えますがね。
ちょっとした宙吊りがあるんで怪我などありませんように。
ぶっちゃけ山口さんも市村さんも役不足気味。
サラ:剱持たまきさん。
屋根の上のヴァイオリン弾きのホーデルよりずっといいです。
赤いドレスもよく似合うしね。
セリフの声がハスキーなのがちょっと損してる。
アルフレート:
泉見洋平くん/
浦井健治くん。
実質的な主役はアルフレートでしたね。
泉見くんは高音がきれいでセリフも明快。
気の弱いアルフレートをうまく表現して芝居もなかなか。
セリフの間がいいです。間のいい若手はミュージカルでは貴重です。
浦井くんは高音も低音もきつそう。サラとのデュエットでは完全に押されてる。
動きが小さいせいか、泉見くんより大きいはずなのにそう見えない。
客席を盛り上げるためには客席を手で煽るだけじゃダメなのよ~。
それから二人とも市村さんと吉野さんに足向けて寝られないですよ~。
市村・吉野両氏の助けがなかったらもたないですよ~。
シャガール:
佐藤正宏さん。
サラのパパで宿屋の主人。恐妻家だけど女中のマグダとデキちゃってる。
ユダヤ人らしい陽気な部分と娘思いの父親の部分が違和感なく表現されててうまい。
ヴァンパイアになってからも素の部分はそんなに変わらずに血吸ってます。
レベッカ:
阿知波悟美さん。
何が不満って、阿知波さんの出番が少なすぎっ!
最初の出からパワーあって、実質宿屋を仕切ってる地に足のついたおかみさんで、
亭主がヴァンパイアにやられちゃった時の悲しみのソロも情感たっぷりで
「愛してたのね~」と思わず泣けてくるくらい素晴らしいのに
それっきりフィナーレまで出てこないなんて!!!
素晴らしい役者は原作者にかけあって出番増やすくらいしろーっ!!!
マグダ:
宮本裕子さん。
ミュージカルの宮本さんははじめて。蜷川さんの舞台ではちょくちょく見てましたが。
芝居の上手いことには不安はなかったので歌に注目しました。
たまに不安定だったりしたけど芝居の歌としてはよかったんじゃないでしょうか。
思ってたより動きがキレイ。
ヘルベルト:
吉野圭吾さん。
クロロックの息子で……男好き。
ダンサーな吉野さんですが、若手とは言えなくなった今日この頃、
歌も芝居もだんだんよくなっててうれしい限り。
クコール:
駒田一さん。
何の文句もありません。ただただ素晴らしい。
駒田さんだけでもチケット代分の価値がある。
前回も書きましたが、アンサンブルも文句なし。
前回書き忘れましたが、振付の
上島雪夫氏に拍手。
作品的にも演出的にも…ですが、出演者たちのがんばりが救いの舞台でした。