大竹さんも言ってますけど、
観客側は他人の家を覗き見してるような感覚なんですね。
しかもこの作品は観る側の感性を試してるようで。
感受性、想像性、精神力まで試されてるような気がしました。
ジョージとマーサ、ニックとハネーの、二組の夫婦。
ジョージとマーサの関係は複雑です。
芝居が進むにつれて、マーサがジョージを罵ってるのではなく
ジョージが罵らせてるんじゃないかと感じました。
そうすることでマーサの精神の均衡を保っているかのような。
ジョージはかなり強い人です。
そうだとするとラスト、子犬のようにおびえるマーサを
優しくなだめるジョージの姿に合点がいくんですね。
間違いなく二人は愛し合ってるし、お互いを必要としている。
ニックとハネー。
こっちの夫婦にはたぶん愛がない。愛し合ってるふりはしてるけど。
ニックは財産目当て、ハネーは…なんだろう?
自分を妻にしてくれる男なら誰でもよかったのかな?
ハネーはあまり自分に自信が持てないようだし。
ジョージ&マーサの隠された部分を見て二人は何を思ったのだろう?
出演者の
大竹しのぶさん、稲垣吾郎さん、
ともさかりえさん、
段田安則さん。
全員が期待に違わぬ演技を見せてくれました。
照明が懲りすぎてて、二階席でなきゃわからなかったんじゃないでしょうかね…
コクーンシートは身を乗り出さなきゃ舞台が見難かったんですが、
4人の位置関係がわかりやすかったし、照明効果もわかりやすかった。
奥が深いというか。
この作品を本当に理解できたかどうかはわからない。
いろいろ考えさせられる舞台でした。
今もふとあの時のあのセリフは…あの動きは…など思ったりします。
いつかまたこの戯曲が公演される時があれば
キャストやスタッフが変わってもまた観に行って自分を試したい。